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犬と猫のブログ

我が家の犬・猫の紹介

「ミム」  (続き)

 その後は、日々、大して変わったこともなくすごしてきた「ミム」ですが、2003年のソンクラーン(タイ新年)の直前、4月10日に家出し、13日にいったん戻ってきたのですが、15日に再び行方不明になったまま、2ヶ月半もどこかを放浪していたようです。
2003年の日記から、その頃の、「ミム」についての記事を、抜粋してみました。


2003年
4月10日(木)
  ミム、行方不明。朝から、姿が見えない。
4月11日(金)
  ミム、やっぱり、戻ってこない。
4月12日(土)
  ミムはまだ帰ってこない。
4月13日(日)
  とても、うれしいニュース。ミムが戻ってきた。
 4日ぶりに戻ってきた。これも、土地神様のおかげか。そんなにやつれた様子もなく。

(このあと、日記が中断しているが、4月15日から、また姿が見えなくなる。
1ヶ月ほどたったころから、「ミム」は、どこかでのたれ死にしたものとあきらめて、「ミム」のことは、考えないことにした。あとにも先にも、「ミム」のように行方不明になったまま、帰って来ない猫は、何匹もいた。)
 
7月1日(火)
  とてもうれしいニュース。
  ミムが、2ヶ月半ぶりに戻ってきた。
  チャムトーンで、気分が悪くなり、バイクで家に送ってもらう途中、
  500mほど来た路上で、黒い猫が、ゴミ回収車が落としていったゴミ袋をあさっていた。
  運転していた姪が見つけて、「あれは、うちの猫だよ、きっと、尻尾が曲がっているもの」というので、バイクを止めてもらい、名を呼ぶと、覚えていたらしく、甘えた声で、すり寄ってきた。
抱きあげて確認するまでもなく、「ミム」だった。
  気分が悪いのも忘れて、とって返し、ペット・フードを与える。

  空腹のあまり、一気に呑みこむものだから、少し食べては、吐き出す。
 それにしても、随分とやつれて、「烏の濡れ羽色」だった毛は、赤茶け、痩せて骨と皮だけになってしまっていた。
  行方がわからなくなってからの「ミム」が出会ったであろう艱難辛苦をあれこれ推察し、たまらない気持ちになった。
  どこか遠くへ誘拐されたにちがいないが、なつくまもなく、逃げ出して来たにちがいない。
  良くぞ戻ってきた。ほんとに生きていてくれてよかった。ありがとう。
  早く体力を回復して、元気になってほしい。

  このところ、悪い話ばかりで、みんないやな思いをしていたが、ほんとに、うれしいことだ。
7月2日(水)
  ミムいくらか元気になる。
7月3日(木)
  ミム少しよくなる。
7月4日(金)
  ミム、すっかりやせて、骨と皮だけみたいだが、元気は出てきた。よく寝る。それがいい。
7月6日(日)
  ミム、いくらか太ってきたかな。
  
戻ってきたミム


9月18日(木)
 ミムは、擦り寄ってきて甘える。走れるようになり、
  失踪から戻って以来、やっと、これでもとに戻った感じがする。

11月1日(土)
  ミム、またまた、チャムトーンを家出。すぐに見つかったが、家の方に連れ帰って飼うことに決定。
  後追いする癖がついたみたい。チャムトーンには、いろいろ、いにくい理由があるようだ。
 12月1日(月)
  子猫、2匹は、久しぶりにチャムトーン泊まり。
(具合が悪くて、一時的に、家の方で保護していた子猫)
  ミムの、家の玄関口で子猫を待つ姿がいじらしい。
 12月16日(火)
  ミムとゴロウにも、シンの風邪がうつったらしい。軽くすめばいいが。

  


 このあと、我が家の猫たちの間で、猫風邪が大流行。FVR(猫伝染性鼻気管炎Feline Viral Rhinotracheitis)という猫特有のウィルス性の風邪でした。
 沢山の猫を狭い空間で飼っているため、伝染するのを防ぎようがありません。
 チェンライに越してきてはじめて、しまいこんであった「電気カーペット」、壊れかかった「電気コタツ」を取り出してきて、寒がる猫のために使いました。
 それでも、どう見ても助かりそうもない猫が数匹いて、「ミム」もそのうちの1匹でした。
 無理やり餌を食べさせたり、注射器を使って水を飲ませたり、果ては、人間用の解熱剤「バッファリン」を、のどに押し込んだり、1ヶ月あまり猫たちの看病を続けましたが、 口惜しいことには、高齢の「ゴロー」だけは、助かりませんでした。「ゴロー」の死んだ25日から、「ミム」は少しづつだが餌を食べられるようになって、なんとか一命を取りとめることが出来ました。

 年が明けて、温かくなりだした頃から、「ミム」は、目に見えて太りだしたのですが、おなかだけが大きくなるようで、オス猫なのに、スワ妊娠などと勘違いさせられたりしました。さながら、「となりのトトロ」のような体形になってしまい、歩くのもつらそうでした。この頃の体重は、6kgを越しておりました。

 後になってわかったことですが、「ミム」は、FIP(ネコ伝染性腹膜炎)という、猫にとっては、致命的なウィルス疾患にもかかっていたことがわかりました。致死率が非常に高く、まず助かることはない病気らしいのですが、「ミム」は、この病気にも打ち負かされることはありませんでした。ずっとあとになってのことですが、「シン」と「イ・トイ」が、このFIPが原因で命を落とした、猫にとっては恐ろしい病気です。

 「ミム」の大きくなったお腹は、実は、腹腔内にたまった腹水が原因なのだそうで、「ウェット・タイプ」の「FIP」というのだそうですが、助かることは稀なことらしいです。長期の行方不明からの帰還といい、猫風邪といい、「ミム」は、強運の持ち主です。
 我が家には、沢山の猫がおりますが、「ミム」ほど波乱にとんだ半生を送ってきた猫はほかにはおりません。

 「FIP」で、おなかが大きくなって半年ほど経過した頃、マッサージをしてやることを思いついたのですが、そのかいあってか、膨れたお腹は、少しづつですがもとに戻りはじめました。それでも、たるんでしまったお腹の皮は、元には戻りませんでした。

 風邪をひいて鼻水の出る猫も、いつのまにか自分で鼻をかむことが出来るようになるものですが、「ミム」は、あれ以来、鼻水が出ないということがなく、鼻がふさがり気味で、自分では鼻くそをとることが出来ないため、鼻をかむことが出来ません。 「ミム」の鼻くそ掃除をするのが、毎日の日課になってしまいました。
 ついうっかり忘れていると、向こうから催促するようになりました。
 猫は、食べ物を食べるかどうか匂いで決めるので、鼻がつまっていると、何も食べることが出来ず、飢え死にしてしまい、これだけでも致命的ということが出来ます。

 長い、しかも度重なる看病をしてきたせいか、小生の姿を見つけると、必ず近寄ってきて、顔色をうかがい、顔を近づけると小生の口のあたりに鼻をすり寄せ、匂いをかぐようなしぐさをします。「ミム」の体調が悪いときは、鼻が臭いのですぐわかります。

 「ミム」は、おなかが膨れ始めた頃から、ヘルス・メーターで体重を量ることがたびたびあって、いまでも、風呂場の体重計の上が大好き(?)で、体重計に乗って昼寝をしているのをよく見かけます。もしかすると、体調がよくないことの意思表示なのかもしれませんが、特別なことでもないかぎり、見てみぬふりをしております。何しろ、「ミム」以外にも、我が家には、20匹以上の猫がいるため、「ミム」だけにかまけているわけにはいかないのです。
 こんな関係は、これからも、どちらかが、この世からいなくなるまで続くのでしょうが、出来るだけ長く続いて欲しいと思っております。

 (感想)
 「ミム」は、人間なら、さしずめ「苦労人」とでもいうのでしょうか、まれに見るほど大人しい猫です。決してほかの猫と諍いを起こすことはありませんし、食事どきでも、少しはなれたところで、目の前に差し出されるまで、じっと待っています。歯がゆいくらいの奥ゆかしさです。
 己の欲望を満たすためには、手段を選ばない人間どもに、爪の垢でも煎じて差し上げたいような気になります。もっとも、「ミム」以外の我が家の猫たちは、人間様並みなものが多いようですが・・・。
 「ミム」は、小生の姿を見つけると、よってきてなにやら「あいさつ」をしているようですが甘えているわけではないようです。抱かれることは嫌いですし、ほかの猫のように添い寝などすることも全くありません。大人しく、奥ゆかしくみえても、「誇り」は高い猫のようです。
 こんな「ミム」には、教えられることが多いような気がしております。
 


最近のミム

 これが、最近の私ですが、前の写真の頭と胴体の大きさを見比べていただけると、おなかポンポコポンのときとの、ちがいがおわかりになれるかもしれません。
 体調がいいとき、ベランダで昼寝をするため、自慢の黒毛が、少々赤茶けてしまいました。
 今は「プン」姉御に次ぐ、高齢ではありますが、何とか、あと5年くらいは生き続けたいと思って頑張っております。

 これからも、どうぞよろしく。



*   *   *   *   *   *   *   *   *   *


(追記 2011/12/25)
 昨深夜、「ミム」は、薬石効なく、逝ってしまいました。
 かれこれ10年に近い「ミム」とのお付き合いも終りました。
 前年の雨期の最中からの生死をさまよう医者通い、そして最後になった、今年の12月に入ってからの病状などは、すべて日記、「新・チェンライ便り」 に書き込んであります。「新・チェンライ便り」 を開いた後、最上段の「投稿内容」の黄色い「検索」フィールドの「ミム」と入力してクリックしていただければ、「ミム」に関する書き込みのすべてが、表示されると思います。

 ややこしいことに、チャムトーンには、もう1匹「ミム」が生きております。ですが、この「ミム」の代わりがつとまるということはありません。悲しいですが、 もうこの「ミム」とは、これでお別れです。 「生老病死」、生まれたものは何時かは死ぬのですから、しかたのないことです。諸行無常です。




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